事業案内
MLCCセラミック付きフィルムのリサイクルで、循環型社会の構築に貢献
当社は、MLCC製造工程で発生するセラミック付きPET剥離フィルム廃材を対象に、国内で完結する独自のリサイクルプロセスを構築。
廃材処理にとどまらず、再生原料の製品化・販売まで一貫して行うことで、資源循環と環境負荷低減を両立しています。
サービス内容
リサイクル処理事業(前処理/破砕・除去)
MLCC(積層セラミックコンデンサ)製造工程で使用されるPET剥離フィルムは、表面にセラミックやチタン酸バリウムなどの微粒子がコーティングされており、従来の廃プラスチック処理とは異なる、特殊かつ高度な分離技術が求められます。
これらの特殊フィルム廃材を対象とした国内初の一貫リサイクル処理体制を構築し、業界のリスクとコストに応える革新的な処理サービスを提供しています。
剥離処理においては、非接触型のエアナイフと、微細物理削除を行うメタルナイフを組み合わせたハイブリッド除去技術を採用。これにより、フィルム基材にダメージを与えることなく、効率的かつ安定的に表面の機能性物質を除去することが可能です。
除去後のフィルムは高トルク破砕機で適正サイズにカットされ、以後のペレット加工に適した状態に調整されます。さらに、静電気除去機構や負圧回収装置を併設することで、粉塵飛散の抑制や作業環境の安全性も確保しています。
このように当社のリサイクル処理事業は、単なる物理的処理にとどまらず、「高品質な再資源化」の出発点として、循環型製造モデルの根幹を担っています。
ペレット製造事業(再資源化)
当社のリサイクル処理によって除去・破砕されたPETフィルムは、次に再生ペレットとして加工されます。このペレット製造工程では、単なる成形だけでなく、素材の特性や最終用途に合わせた物性制御・安定品質の実現が求められます。
当社が導入しているペレット成形機は、摩擦加熱と水冷却の連携制御機能を持ち、原料の加熱・可塑化・冷却という一連のプロセスを、PLCによる自動制御で高精度に管理しています。これにより、均一なサイズ・密度・耐熱性を持つ高品質なペレットが生産されます。
また、シュリンクペレット(収縮タイプ)や標準ペレットなど、製品形状のバリエーションも柔軟に対応可能で、用途に応じたカスタマイズも行っています。こうした多様なニーズに応えられる柔軟性と信頼性が、国内外の製造業から高く評価されています。
今後は、オンライン増粘押出や樹脂改質などの高度な造粒技術を取り入れ、PET再生材としての性能向上を図るとともに、より付加価値の高い製品群の供給体制を構築していきます。
この事業は、まさに「ゴミから資源へ」「廃材から製品へ」を実現する再資源化の中核を担っています。
再製品化・サプライチェーン構築支援
リサイクル処理とペレット製造で得られた再生原料は、さまざまな用途での再製品化へとつながります。この「原料→製品」への橋渡しを担う再製品化・サプライチェーン構築支援事業にも注力しています。
具体的には、PET再生ペレットを原料とする短繊維(ステープルファイバー)製造や、プラスチックスチールバンド(梱包資材)製造、PET剥離フィルムの再成形など、多様な製品群の原料供給・技術連携を実現。これにより、単なる「廃材処理会社」ではなく、新たな製造エコシステムを支えるパートナー企業としての役割を果たしています。
また、当社は国内外のメーカーと連携し、地域循環型の再資源サプライチェーンの確立にも取り組んでいます。特に日本国内では、炭素排出量の削減や製造工程の脱石油化を志向する企業とのマッチングを強化し、「処理コスト」ではなく「再利用価値」の最大化を目指した協業体制を構築中です。
この事業は、資源の水平リサイクル(マテリアルリサイクル)を推進し、環境負荷を低減しながら製品価値を高める未来型ものづくりを支える重要な柱となっています。
プラスチックリサイクルの流れ
MLCC業界で使用されたセラミック付き剥離フィルムを、再び有用な資源として循環させるために、
当社は独自の高度なリサイクルプロセスを確立しています。
物理的なコーティング除去から、破砕・ペレット化・保管・出荷に至るまで、一貫した工程を国内で完結させることにより、
環境負荷の低減と資源の有効活用を実現しています。
「第2期プロジェクト」は、第1期の成果を基盤に、さらなる処理能力の増強と、製品品質の向上を目指すステージへと移行します。
これにより、MLCC業界でのリサイクル需要に対応するとともに、国内外でのサステナブルな資源循環体制の構築に寄与してまいります。
生産能力と自動化の強化
第1期の実績をもとに、処理能力を最大 1,000kg/h に拡大。原料の投入からペレット化・梱包まで、自動化比率を大幅に向上し、安定した大量処理と省力化を両立しました。
シリコン除去と加工技術の進化
新たに導入された装置により、シリコン系コーティングの除去能力を強化。さらに、従来の収縮ペレットから標準顆粒形状への成形技術に進化し、製品の粘度・品質が安定し、再利用の幅が広がりました。
国内販路拡大と循環型社会への貢献
これまでの東南アジア市場に加え、日本国内への供給を本格化。再製品化のローカルプロセスも始動し、MLCCメーカーの炭素削減目標やSDGs達成に寄与する体制を構築しています。